第1種 1:1
基準となる一つの音符に対し同じ音価の音を対応(対位)させる。
すなわち、全音符(CF)対全音符(対位CP)で行う。
ここで注意すべきことは以下のようになる。
1)不協和音程(4度を含む)は用いない。
2)曲のはじめと終わり以外に同度(1度)は使用できない。
3)連続1度、8度、5度、並達1度、8度、5度は禁ぜられる。
4)同音の反復は避ける。
5)同じ音程を3回以上続けない。
<連続・並達>
これは和声などの古典音楽理論では、極めて明確な「禁則」とされている。
◯「連続」とは、保留(音が移動しない)を除いて、同じ音程を続ける(連続進行する)ことで、1度(1度-8度も)、8度、5度の連続進行は反行(反対方向に進行すること)も含め、禁じられている。
◯「並達」とは、2つの声部が同じ方向(ともに上行、あるいは下行する。これは「並行」と呼ばれる)に進行することで、2声では、この進行は許されない。反行(反対方向に)進行したり、一方が留まっている(これを「保留」という)のは含まれない。
◯「保留」は「進行」とは見なされない。
[譜例10]
以下、1:1の実施例を示しておく。
実施に当たって、旋律線の起伏、流れに注意すること。特にできるだけ順次進行を形成するのがいいだろう。また極力、多用な音程を用いること。そのために、それぞれの音程を表す数字を付けることは、初学者には有効な方法となろう。連続などのチェックにもなる。
(下の例では、オクターブ以上の音程は、オクターブ内の数値に置き換えている)
[譜例11]
ここでは「定旋律」(CF)の最初のもの(1)の上声に2つ、下声に2つずつの例を示しているが、対位法の技術を向上させるためには、一つのCFの上声あるいは下声にそれぞれ6つぐらいの対位(CP)を付ける練習をすることを勧める。もちろんいくつかのCFによって実施すべきであることは言うまでもない。