第5種 1:自由

ここで始めて、これまで扱った様々な長さを組み合わせて使うことができるが、以下のような旋律とリズムに関する制限のもと、対位を作成しなければならない。

この対位法は、多くの書物で「華麗対位法」と呼ばれているが、その言葉は、むしろ次の2声自由対位法(2声による自由な対位法)のほうが、その特別な呼び方に妥当と思われるため、ここでは「1:自由」という従来の延長の表記に留めた。

1)可能な限り、様々の音形と音価(音の長さ)を組み合わせて、なおかつ統一された旋律線を描くように努める。

2)使用される音の長さ(音価)は、全音符、付点2分音符、2分音符、付点4分音符、4分音符、さらにそれらタイで結ぶことで多用な長さの音符を使用することができるが、それに新たに8分音符を用いることができるが、現段階では、これ以上短い音符は用いない。

3)8分音符は、常に2つセットで用いられ、連続して3つ以上の8分音符を用いることができないし、強拍及び弱拍に用いず、2つの余拍で用いることができる。また2つの8分音符は順次進行で到達され、順次進行で用いられ、順次進行で次の音に繋ぐという、あまり自立的音符(群)として扱われない。

4)余拍の4分音符からタイで繋げることはできない。

5)それ自身より長い音価の音符を引っ張る(タイで結ぶ)ことはできない。また8分音符にタイで繋げることもできない。

[譜例25]

6)掛留は12小節程度の課題では2つぐらいに収め、多用は避ける。掛留対位法で行ってきたように、掛留の解決は、弱拍で行う。ただ、その前に前打音的に鳴らされる先取音に解決音を響かせることはよく行われる方法である。また、掛留の解決音の前に、第1余拍で、一度協和音に行ってから弱拍で本来の解決音に行くことも行われる。その場合、迂回する音は、下行して行う。

7)これまで同様、同型反復は避け、同じ音価や同じリズムの使用は避け、可能な限り様々なリズムの組み合わせを行う。

<演習6>以上のことに留意して、1:自由の対位を試みよ。音楽的な旋律線をいかに描くかが重要になり、それは次の「華麗対位法」に発展する重要な技術といえる。

1:自由の実施例を以下に挙げておく。

 <拡大された小節>

ここでは、これまでの2小節の長さが、1小節のかなに収まって記述される。とはいえ、拍子はこれまで通りになる。つまり、初期(18世紀まで)の音楽理論では。今日の意味とはことなり、2/2とは意味を異にし、以下のように表記される。

つまり

ということになる。つまりCに縦線は、2/2ではなく、拍子の長さを規定するものではなく、2拍子系ぐらいに捉えていいだろう。

 前の例(譜例27)の4)をその書き方にしてみると、よりはっきりしたイメージになるだろう。

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